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分子モデルの編集

構造ファイルの新規保存

 分子モデルの修正の過程で、各分子(蛋白質鎖、水分子、リガンド分子など)に対応した複数のmsfファイルが開かれていることがある(図5.1.1)。
 CNX Interfaceの実施の前に、これらを一つのmsfファイルにまとめる。

(図5.1.1) “Molecule Manegement”
 蛋白質鎖(kn_B1_refine)、X-Solventで挿入した水分子(searchwaters)、リガンド(heme)が、異なるmsfファイルとして扱われている状態。
  1. “QUANTA”メニュー“File”→“Save as”を選択。
    ⇒“Choose the writing options”が表示(図5.1.2)。
  2. “OK”をクリック。
    *チェック項目はdefault設定で可。
    ⇒“Save Select Atoms to MSF”が表示(図5.1.3)。
  3. 任意の名称(拡張子:msf、例では“kn_B1S1.msf”)を入力し、“Save”。
    ⇒ファイル名が更新(図5.1.4)。
    *複数のモデル(msfファイル)が一つのファイルに新規保存されただけで、“QUANTA”画面上の構造に変化はない。

(図5.1.2) “Choose the writing options”

(図5.1.3) “Save Select Atoms to MSF” 

(図5.1.4) 分子モデルの新規保存
全分子が1ファイルにまとめられる。

構造ファイルの編集

 分子モデルの修正過程で起こるファイル形式の乱れの修正、新規挿入した分子情報の入力、などを行う。
 なお、モデルに含まれる分子によって、作業手順が異なる。

蛋白質・水分子の場合
 分子モデルが蛋白質のみ場合は、2. 6.の作業は不要。
  1. “QUANTA”メニュー“Edit”→“Split/Clean”を選択。
    ⇒“Clean MSFs”パレットが表示され(図5.1.5)、分子モデルの表示が変わる(図5.1.6)。
  2. “Clearn MSFs”パレット“Save to Separate MSFs”をクリック。
    ⇒新たに各分子毎の構造ファイルへと分割される(図5.1.7)。
  3. “Clean MSFs”パレット“Clean Options”をクリック。
    ⇒“Protein Clean Option”が表示(図5.1.8)。
  4. “Add Hydrogens”→“None”を選択し“OK”.
  5. “Clearn MSFs”パレット“Clean Protein”をクリック。
  6. “Clearn MSFs”パレット“Clean Solvent”をクリック。
  7. “Finish”で“Split/Clearn”を終了。
    ⇒画面上の分子表示が元の状態に戻る。

(図5.1.5) “Clean MSFs”

(図5.1.6) “Split/Clean”の実行
 各分子が色違いで表示される。
(緑: 蛋白質分子、青:水分子、赤:その他)


(図5.1.7) ファイルの分割
“_Protein.msf”: 蛋白質分子、“_Solvent.msf”: 水分子
“_Other.msf”: その他(リガンドなど)分子。


(図5.1.8) “Protein Clean Option”


リガンドを含む場合

 分子モデルにリガンドなどの分子が含まれる場合、上記に加え“Molecular Editor”での作業が必要となる。

  1. 上記「蛋白質・水分子の場合」1.〜6.を実施
  2. “Clearn MSFs”パレット“Molecular Editor”をクリック。
    ⇒“Choose which MSF to edit”が表示(図5.1.9)
  3. リガンドの構造ファイル(・・・_Other.msf)を選択し、“OK”。
    ⇒“Molecular Editor”パレットが表示される(図5.1.10)。
     “QUANTA”画面にはリガンドのみが表示される(図5.1.11)。
  4. “Molecular Editor”パレット“Display Atom Labels”をクリック。
    ⇒“Atom Label”が表示される(図5.1.12)。
    *“Display Atom Labels”を繰り返しクリックし、“Atom Type”を表示させる(図5.1.12c)。

(図5.1.9) 構造ファイルの選択

(図5.1.10)“Molecular Editor”


(図5.1.11) “Molecular Editor”の実行


(図5.1.12) “Atom Label”の表示
(a) 原子名、(b) リガンド名、(c) 原子の種類(Atom type)、(d) 電荷
“Display Atom Labels”をクリックすると、表示内容が順に変更される。

  1. “Molecular Editor”パレット“Edit Atoms”をクリック。
    ⇒“Edit Atoms”パレットが表示(図5.1.13)。
  2. “Set Atom Type”をクリックし、“QUANTA”画面上のリガンドを構成する原子をクリック。
    ⇒“Set Atom Type”が表示(図5.1.14)。
  3. “Set Atom Type”の“Atom Name”に適切な原子名を、また“Selected Atom Type:”に適切な“Atom Type”を入力し、“OK”。
    ⇒ “Atom Type”が変更される。
  4. 5.〜7.の操作を全原子で実行する(図5.1.15)(参考:“Atom Type”の入力)。

(図5.1.13) “Edit Atoms”

(図5.1.14) “Set Atom Type”

(図5.1.15) “Set Atom Type”の終了
  1. “Edit Atoms”パレット“Exit Edit Atoms”をクリック。
    ⇒“Edit Atoms”パレットが閉じる。
  2. “Molecular Editor”パレット“Save and Exit”をクリック。
    ⇒“3d Molecular Editor Save Options”が表示(図5.1.16)。
  3. 設定を確認の上、“OK”。
    ⇒“Adjust Total Charge”が表示(図5.1.17)。
  4. 設定を確認の上、“OK”。
    ⇒“Molecular Editor”パレットが閉じる。
    *“Enter desired total charge”の入力値は、“The calculated charge is”での計算値(例では-1.0200)で可(?)。
     未設定の原子がある場合、図5.1.18が表示(参考:“Atom Type”の入力)。
  5. “Split/Clearn”を終了(“Finish”)。

(図5.1.16) “3d Molecular Editor Save Options”

(図5.1.17) “Adjust Total Charge”

 以上で、CNX Interfaceを実行する準備が終了。

参考: “Atom Type”の入力

 リガンドを構成する各原子には、適切な“Atom Type”を設定する必要がある。
 これらが正しく設定されていないと、CNX Interfaceを実行後リガンドの構造が本来の構造から大きく逸脱してしまう。

 “Atom Type”は各リガンドの構造を確認し、一覧から適当と思われるものを選択する。
 例えば、図5.1.12(c)の窒素原子は、defaultでは“NT(四面体を構成する窒素)”とされているが、 新たに“N5R (五員環を構成する窒素)”を選択、設定し直している(図5.1.15)。

 なお、“Atom Type”が設定されていない原子がある場合、図5.1.18の様なメッセージが表示される。
 “Abort”をクリックすると未設定の原子が確認(図5.1.19)できるので、適切に設定する。


(図5.1.18) 未設定原子のメッセージ

(図5.1.19) 未設定原子の表示



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