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“Structure” 〜複数のアミノ酸残基の修正〜

修正結果の一時保存

 “Build atoms”では個々の原子やアミノ酸残基ごとの精密化を行ったが、“Structure”パレット(図2.3.1)ではアミノ酸配列のある範囲をまとめて修正することが可能である。

 修正内容の容否認は、“Build atoms”同様、“Accept/Quit”パレット(プログラムによっては“Results”パレット)で行う。
 精密化結果の取り消しは同パレット“Undo last fit”(図2.3.1赤丸)で実行できるが、一時保存は“Build atom”パレット“Save changes”で実行する。


(図2.3.1) “Structure”パレット

 最終的な修正内容の保存方法(=新規の構造ファイルとして保存)は「精密化の終了」に記述している。

修正プログラム

 一部の修正プログラムではあるが、以下に簡単に説明を。

“Rigid body
 特定の範囲を、構造を変えずに電子密度にフィットさせる。
  1. “Rigid body fit”をクリック。
  2. フィットさせる領域の最初と最後のアミノ酸残基をそれぞれクリック。
    ⇒精密化が開始され、候補構造が白で表示(図2.3.2)。
    *図では、矢印で示した二つのアミノ酸残基をクリック、三つのアミノ酸残基を選択した状態。
  3. “Accept/Quit”パレットで決定。

(図2.3.2) “Rigid body fit”の結果

“Refine zone”
 特定の範囲を電子密度にフィットさせる。
  1. “Refine zone”をクリック。
  2. 精密化する領域の最初と最後のアミノ酸残基をそれぞれクリック。
    ⇒精密化が開始され、修正構造が表示(図2.3.3)。
    *色が示すことは、“Move atom + reg. res.”などと同じ。
  3. “Accept/Quit”パレットで決定。

(図2.3.3) “Refine zone”の結果

“Loop fit”
 ループ構造を電子密度にフィットさせる。
 電子密度が曖昧な領域のフィッティングなどに有効。
  1. “Loop fit”をクリック。
  2. 精密化する領域の最初と最後のアミノ酸残基をそれぞれクリック。
    ⇒ループ構造の探索が開始され、画面に修正中の構造が表示(図2.3.4左)。
     同時に“Results”パレット(図2.3.5)が表示。
  3. 10分間の探索後(マウス左クリックで強制終了)、10個の候補が提示される(図2.3.4右:図では一候補のみ表示)。
    *“Results”パレット“Show all conformation”で全10候補が同時表示される
  4. “Results”パレット“Show next (previous) conformation”で各候補構造を確認し、適切な構造を選択。
    *“Continue search”で探索が再開。
  5. “Results”パレットで“Accept”または“Quit”。

(図2.3.4) “Loop fit”の実行

(図2.3.5) “Results”

"Terminal fit”
 N(C)末端を電子密度にフィットさせる。
  1. “Terminal fit”をクリック。
  2. 最末端のアミノ酸残基をクリック。
    ⇒“Terminal fitting”パレットが表示(図2.3.6)。
  3. 修正する残基数を入力し“OK”。
    ⇒末端構造(例では末端から3残基)の探索が開始(図2.3.7)。
     “Results”パレット(図2.3.5)が表示。
    *defaultの探索時間は10分間(マウス左クリックで強制終了)。
    ⇒探索終了後、修正候補(計10)が提示される。
  4. “Results”パレット“Show next (previous) conformation”で構造を確認、選択。
    *“Continue search”で探索の再開が可能。
  5. “Results”パレットで“Accept”または“Quit”。


(図2.3.6) “Terminal fitting”


(図2.3.7) “Terminal fit”の実行


“Do all...”
 “Build atoms”での“Refine 1 residue”、“Fit side(main) chain by RSR”などを、構造全体で実行する。
 簡単に言えば、一度に全残基の修正を試みるプログラム。 個人的には、「水分子の精密化」での利用が有効と思われる。
  1. “Do all...”をクリック。
    ⇒“Do all...”画面が表示。
  2. 画面上で以下のパラメータを選択、設定。
    “Change all...”: 修正対象(“Water”、“Protein”など)
    “protocol”: 修正プログラム(“Build Atoms”の各プログラムを参照)
    “Abort on analysis error”: プログラム停止の条件(無条件ならチェックを外す)
  3. “OK”。
    ⇒条件に従って全残基(or 水分子)の修正が開始。
    *“Abort on analysis”条件に当たった場合、プログラムは停止する。
    *マウス左クリックで強制終了可。
  4. 修正された構造が表示。
    *“Accept/Quit”画面などは表示されない。修正結果の採択は“Save changes”か“Undo last fit”。

“Regularize range”
 特定のアミノ酸残基と前後の残基の立体化学的パラメーターを強制的に修正する。
 “Build atoms/Regularize”の拡張版。
  1. “Regularize range”をクリック。
  2. パラメーターを修正するアミノ酸残基をクリック。
    ⇒クリックしたアミノ酸残基とその前後の残基の修正が開始。
  3. 修正された構造が表示。



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