X線結晶解析> CrystalClear1.3.6> 解析後

解析終了後

解析結果

 CrystalClearの結果は、「E:\01CrystalClear_Data」に保存されている。
 *ファイル保存先を任意に設定した場合は、その設定先。

  1. ディスクトップ上のアイコン“01CrystalClear_Data”をクリック。
    ⇒ フォルダ内が表示。
  2. “Initialize Instrument”で設定した“Project”名フォルダをクリック。
    ⇒ 同Projectで実行した“Sample”フォルダが表示。
  3. “Initialize Instrument”で設定した“Sample”名フォルダをクリック。
    ⇒ CrystalClearの実行ファイルが表示される(図2.1)。

(図2.1) CrystalClear実行ファイル

 これらの多くのファイルの中で、以下の2つが直接的に重要。

参考:dtscaleaverage.log

 “dtscaleaverage.log”最後の“Summary of data collection statistics”が回折実験のまとめ(図2.2)。
 うち下のパラメータは公表時にも必要となる(どれが必要となるかは、Journal次第)。
  • Spacegroup: 空間群
  • Unit cell dimensions : 格子定数(上段:a・b・c / 下段:α・β・γ)
  • Resolution range: 分解能
  • Total number of reflections: 観測した反射数
  • Number of unique reflections: 独立の反射数
  • Average redundancy: 多重度 (=“multiplicity” or “redundancy”)
  • % completeness: 完全性
  • Rmerge: R-merge
  • Output <I/sigI>: S/N (=“I/σ(I)”)

(図2.2) “Scale and Average”結果

 各値の良し悪しの判断基準は、“ CrystalClear ver.1.3 SP1 / 解析終了後 / その他 ”を参照のこと。

立体構造解析へ

複数の反射データの作製

 状況によっては、複数の反射データを作成する(=“Scale and Averaged”を繰り返す)必要があるため、以下、記述しておく。

 なお“Scale and Averaged”を繰り返し実行する際は、“ScalAveraged.ref”を任意の名称に変更して実行すること。
 加えて「E:\01CrystalClear_Data」内の“dtscaleaverage.log”を“名称の変更”しておく(同じファイル名だと上書きされる)。

分解能を変更
 default設定では、回折画像撮像時のカメラ長に依存した分解能で反射データが作製されるが、 最外郭のデータが悪い場合(R-mergeが0.2以上)など、その部分をカットした反射データを併せて作成しておく。
 “Scale and Average” 実施時に、“Resolution”の“Maxinum”を変更すれば良い。

MIR法・SAD法
 MIR法・SAD法では、anomalousの情報入りの反射データを作成し、それを位相決定に用いる必要がある。
 ただし、位相決定後の構造精密化の過程では、anomalous情報を抜いた反射データを用いるのが一般的であるため、 それに対応した反射データを別途作成しておく。
 簡単に言えば、“Scale and Average”を
・“Scale I+ and I- separately”、“Outout anomalous (I+,I-)”: それぞれチェック有 … 位相決定に利用
・“Scale I+ and I- separately”、“Outout anomalous (I+,I-)”: それぞれチェック無 … 構造精密化に利用
とパラメータ設定を変更して2回実行し、それぞれrefファイルを作成する。

空間群が未決定
 “Analyze Data”・“Space Group Check”で空間群が決定できない場合が稀にある (参考:“Space Group Results”)。
 その場合、可能性のある空間群それぞれで“Scale and Average” 実施し、反射データを作成しておく。
 実際に正しい空間群がどれかは、それぞれの反射データで構造解析を実施して確認する(簡単に言えば、位相が決定 できた空間群が正解)。

データの転送

 立体構造解析を実施するためには、反射データ(ScaleAveraged.ref)を、構造解析用PC“protein”へ転送する必要がある。 以下、その手順を示す。
 なお、反射データと併せてdtscaleaverage.logを転送しておくと、結晶系の確認などに便利。

  1. 構造解析用PC“protein”を起動。
  2. “protein2”ディスクトップ“Network”→“lebra - protein-structure (Protein)”をクリック。
  3. ScaleAveraged.ref(+dtscaleaverage.log)をドラッグ&ドロップ。
    ⇒以上で、転送完了。
    *“protein”の“LEBRA/protein-DataShare”フォルダ内にファイルが保存されている。


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