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精密化の開始

X-Buildの起動

 “QUANTA”→“Applications”→“X-Build”を選択(図2.1.1)。
 ⇒X-Build起動後、“X-AUTOFIT X-BUILD”、“Object Management”、“CA angle torsion”の各パレットが新たに表示(図2.1.2)。
  “QUANTA”画面に電子密度が表示。


(図2.1.1) “QUANTA”メニュー“Applications”

(図2.1.2) “X-Build”の起動・表示パレット

 “X-AUTOFIT X-BUILD”パレットに表示された、各メニューをクリックすると、新たにパレットが表示される(図2.1.3)。
 各パレットの機能を用いて構造の修正(グラフィックイメージの精密化)を進める。

(a) “Symmetry”

(b) “Pointer”

(c) “Build atoms”

(d) “Structure”

(e) “3D text”

(図2.1.3) “ X-AUTOFIT X-BUILD ”パレットから展開するパレット
図2.1.2“X-AUTOFIT X-BUILD”パレット中、青地チェックのものが展開。

“Symmetry” 〜結晶学的情報の入力〜

補足:ver.upに伴い(?)結晶系に関するパラメータ入力は自動化されているかもしれません。
   以下、不要な情報かもしれませんが、念のため記述を残しておきます。(2009年10月 記)

 “Symmetry”パレット(図2.1.3a)で結晶系を設定することで、対称分子を表示させることが可能となる。
 対称分子の表示は、電子密度がどの分子に由来するかを判断する上で重要である。
 手順は以下の通り。

  1. “Symmetry”パレット“Define symmetry”をクリック。
    ⇒“Symmetry”が表示(図2.1.4)。
  2. 開いているmsfファイル(“kn_rig.msf”)を選択し、“Change”。
    ⇒“Enter space group number or name ”が表示(図2.1.5)。
  3. 空間群を入力し、“OK”。
    ⇒“Enter dimensions for ・・・”が表示(図2.1.6)。
  4. 格子定数を入力し、“OK”。
    ⇒“Enter orthogonalisation code, if relevant”が表示(図2.1.7)。
  5. “Integer Value”は1のまま、“OK”。
    ⇒近傍の対称分子が青で表示される(図2.1.8)。
    *対称分子は“Object Management”(図2.1.9)、“SYMMETRY”・“Display”の“Yes”をクリックすると未表示になる(“No”に変わる)。

(図2.1.4) “Symmetry”

(図2.1.5) “Enter space group number or name”

(図2.1.6) “Enter dimensions for …”


(図2.1.7) “Enter orthogonalisation code, …」

(図2.1.8) 対称分子の表示

(図2.1.9) “Object Management”

 以上の操作を行うと、次の“参考:空間群・対称分子の表示”に示した機能を使用できる。

参考:空間群・対象分子の表示

 通常の精密化の過程で、これらの機能を用いることはそれほど無いと思うが、参考までに記述。

“Unit cell”
 クリックすると、画面に空間群が表示される(図2.1.10a)。
 *“Object Management”パレット“UNIT CELL”の“Display”を“No”で未表示になる。

“CA Filled Cell”および“Filled Cell”
 クリックすると、空間群内の分子配置が表示される。
 ・“CA Filled Cell”:対称分子の主鎖構造のみが表示。
 ・“Packing Diagram”:全原子が表示(図2.1.10b)。
 *“Symmetry”パレット“Delete Sym. Ob.”をクリックすると表示か消える。

“CA Packing Diagram”および“Packing Diagram”
 クリックすると、近接する対称分子が表示される。
 ・“CA Packing Diagram”:対称分子の主鎖のみが表示(図2.1.10c)。
 ・“Packing Diagram”:対称分子の全原子が表示。
  *“Symmetry”パレット“Delete Sym. Ob.”をクリックすると表示が消える。


(図2.1.10) 空間群・対称分子の表示

Pointer”〜目標とするアミノ酸残基への移動〜

 基本的に“QUANTA”画面の中心には、ポインターが表示されており、 “Pointer”パレット (図2.1.3b)でそれを動かすことが可能。
 ポインターを目標とするアミノ酸残基へ移動させると、その残基が画面中心に表示されることになる。

 平たく言えば、目的のアミノ酸残基へ画面を動かすために用いるパレット。
 それぞれの機能は以下の通り。

“Go to pointer”
 クリックすると、ポインターのある位置が画面の中心になる。

“Place at next residue”および“Place at previous residue”
 それぞれクリックすると、前後のアミノ酸残基へポンターが移動する。

“Place by atom”
 目的のアミノ酸残基へポインターが移動する。

  1. “Place by atom”をクリック。
    ⇒“Goto atom by name”が表示(図2.1.11)。
  2. “Segment name”:セグメント名(参考:“Segment name”・原子の情報)を入力。
    “Sequence ID”:目的のアミノ酸残基の番号を入力。
    “Atom name”:目的の原子名を入力(通常、CA)。
  3. “OK”
    ⇒目的のアミノ酸残基(例では30残基目)のCα原子にポインターが移動。

(図2.1.11) “Goto atom by name”

ポインターの手動
 Shift+Controlキーを押しながらマウスを動かすと、任意の位置へポインターを移動可能。
 その後、“Go to pointer”により、ポインターの移動先が画面中心になる。

参考:“Segment name”・原子の情報

 “Segment name”は構造(pdb)ファイル上で、タンパク質、リガンド、水などの個々の分子に与えられる名前 (例えばXY2量体、水分子が含まれるpdbファイルでは、X鎖に“A”、Y鎖に“B”、水分子に“W”とセグメント名が与えられていることが多い)。

 ただし、各分子に与えられている“Segment name”は、pdbファイルごとに若干異なっている(例では、タンパク質のセグメント名が“AKN”)ことがあるので、 各分子のセグメント名はpdbファイル上で確認しておく。

 また“QUANTA”画面上で適当な原子をクリックすると、その原子の名前、セグメント名、残基番号が確認できる(図2.1.12)。
 加えて、クリックした原子の情報は“QUANTATextport”(図2.1.13)(参考“QUANTA Testport”)にも表示される。



(図2.1.12) 原子の情報

(図2.1.13) “QUANTA Textport”

参考:“QUANTA Textport”

 “QUANTA Textport”(図3・5)は、QUANTA起動中に表示されているターミナルlであり、各パレットで操作した詳細が全て記載されている。
 原子の情報の他、実行したコマンドも“QUANTA Textport”上で確認できる。



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