ファイルの更新
再びグラフィカルな修正(X-Build、X-Solvent)を実施するには分子モデルの更新、
つまり“Refinement Structure”による精密化を行った構造ファイルを新たに読み込む必要がある。
以下、CNX Interfaceの機能である“Update Coordinate”による更新(msfファイルの自動更新)と、
“Import single structure”(pdbファイルからの更新)を示す(参考:構造ファイルの更新方法の違い)。
“Update Coordinate”を実行すると、先に読み込まれていたmsfファイル(=精密化前の分子モデル)が自動的に“Close”され、 CNX Interfaceで精密化されたpdbファイルが“import”される。
この場合、入力していた結晶系の情報が保存され、再入力の必要がなくなる。
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“CNX Interface”パレット“Update Coordinate”をクリック。
⇒“Choose the PDB File”が表示(図5.3.1)。
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“Refinement Structure”で作製された新規pdbファイル(例では「kn_B1S1_refine.pdb」)を選択し“Open”。
⇒“Save data into msf files”が表示(図5.3.2)。
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“Specify how the MSFs are to be Saved:”で保存形式を選択し“OK”。
*例では、“Save to New File name”を選択し新規名称で保存する場合を記載。
以下、各分子に対応したmsfファイル(・・・_Protein.msf、・・・_Solvent.msf、・・・_Other.msf)を順に更新していく。
⇒“Enter new name for modified MSF ・・・_Protein.msf”が開く(図5.3.3上)。
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新規名称(例では「kn_B1S1_refine_Protein.msf」)を入力し“Save”(=“・・・_Protein.msf”の更新)。
⇒“Enter new name for modified MSF ・・・_Solvent.msf”が開く(図5.3.3中)。
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新規名称(例では「kn_B1S1_refine_Solvent.msf」)を入力し“Save”(=“・・・_Solvent.msf”の更新)。
⇒“Enter new name for modified MSF ・・・_Other.msf”が開く(図5.3.3下)。
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新規名称(例では“kn_B1S1_refine_Other.msf”)を入力し“Save”(=“・・・_Other.msf”の更新)。
⇒“QUANTA”画面に更新された分子モデルが表示される。
“Molecule Management”に新規の“Molecule”名が表示(図5.3.4))。
(図5.3.1) “Choose the PDB File” |
(図5.3.2) “Save data into msf files” |
(図5.3.3) 各msfファイルの更新 |
(図5.3.4) ファイル更新後“Molecule Management” |
“Import single structure”による構造更新
通常のpdbファイルの“Import”手順と同じ
(「分子モデルの表示・pdbファイルの“Import”」を参照)。
なお、その前に、CNX Interfaceを終了し、現在表示中のmsfファイルを全て
“Close”しておくほうが無難。
電子密度ファイルの更新
CNX Interface(“Refine Structure”や“Map Generation”)で新規作成した電子密度ファイル(mapファイル)は、
通常のmapファイルの“Import”の手順に従って読み込む。
なお既に読み込まれている電子密度(mbkファイル)は、必要なければ“Close”しておく。
参考:更新方法の違い
更新との違いを説明する前に、CNX Interfaceの実行過程で作成された構造ファイルを確認すると。
“Split/Clean”によって、
(1) ・・・_Protein.msf: 蛋白質分子のmsfファイル。
(2) ・・・_Solvent.msf): 水分子のmsfファイル。
(3) ・・・_Other.msf: msfファイル。
の三つのmsfファイルが作成されている。
その後、“Refine Structure”により、新たに
(4) ・・・.pdb: 精密化された蛋白質分子、水分子、リガンド分子をすべて含むpdbファイル。
が作成されている。
“Update Coordinate”による更新は、
「pdbファイル(4)の再import→各分子を個別のmsfファイルに再分割→msfファイル(1)〜(3)の更新」
と言う操作になる。
この場合、入力済みの分子に関する情報(結晶系、リガンドの“Atom type”など)は保存され、新規入力の必要はない。
CNX Interfaceによる精密化を主体に構造解析を進める、つまり独立にCNXプログラムを実行する機会や他の解析ソフトを利用する機会が少ない場合は、
“Update Coordinate”による更新が便利な様に思われる。
一方、“Import single structure”による更新は、
「pdbファイル(4)の再import→全分子の構造情報を含む一つのmsfファイルへ変換」
と言う操作になる。
この場合、入力済みの分子に関する情報は破棄されるため、全て再入力が必要となる。
独立にCNXプログラムを実行する機会や他の解析ソフトを利用する機会が多い場合は、結果的に“Import single structure”による更新を行うことになる。
特にどちらが良いと言うことはなく、結局のところ、CNX Interfaceを使うか使わないか、都合の良いほうを選択すれば良い。
CNX Interfaceの終了
“CNX Interface”パレットの“Exit CNX Interface”をクリック。