QUANTA上で操作してきたファイル形式は様々であり、また作業を通して大量のファイルが作成され作業ディレクトリに保存される。
最終的にどのファイルが重要なのか、慣れないと混乱することも多い。
以下、大まかに最低限の情報を記載する。
構造ファイル
QUANTAで扱う構造ファイル(=分子モデルの情報)の形式は2種類ある。
・pdb形式(・・・.pdb): 拡張子pdbが“Protein Data Bank”の略であることからも分かる様に、最も一般的な構造ファイルの形式。
CNXによる精密化でも、pdb形式の構造ファイルが扱われている。
・msf形式(・・・.msf): QUATAN上で表示、操作可能な構造ファイルの形式。
つまり、一般的な分子モデル(構造ファイル)をQUANTA上で扱うためには、pdb形式をmsf形式に変換する必要がある。
逆に、QUANTAで修正した分子モデルを他のソフトウェアで扱うためには、msf形式をpdb形式に変換する必要がある。
QUANTAで行う以下の操作は、
“Import Single Structure”
→通常用いられているpdb形式の構造ファイルを、QUANTA上で扱えるmsf形式に変換する。
“Save built atoms to MSF”
→QUANTA(X-Build)で修正したmsf形式の構造ファイルを、QUANTAに扱えるmsf形式のまま保存する。
“Save build atoms to PDB”
→QUANTA(X-Build)で修正したmsf形式の構造ファイルを、一般的に扱えるpdb形式に保存する。
となる。
電子密度ファイル
QUANTAで扱う電子密度ファイルの形式は2種類ある。
・map形式(・・・.map): CNXで作成した電子密度ファイルの形式。
・mbk形式(・・・.mbk): QUATAN上で表示可能な電子密度ファイルの形式。
CNXで作成したmapファイルを、QUANTAで表示可能にするための操作が
「mapファイルの“Import”」となる。
作成されたファイルの保存・削除
QUANTAでの作業を通して、作業ディレクトリには大量のファイルが作成されている。
これらの中には、各プログラムの実行に伴い作成されたもので、次回の操作に不必要なもの(なくても本質的には困らない)もある。
個人的には、前述の構造ファイル(msf、pdb)、電気密度ファイル(mbk、map)は保存し、それ以外のファイルは削除。
ただし、結晶系や原子情報を含むファイルなどを削除すると、場合によっては再入力が必要となることもある。
(注意)
ファイルの削除は、QUANTAを終了してから実施すること。
CNXで作成した各ファイル(特に反射ファイル)や、QUANTAとは無関係のファイルを誤って削除しない様に。
最終的にどのファイルを削除するかは、ご自身の責任でお願いします。