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多層膜ミラーへのHeパージ

Heパージ

  (注意)  作業にはX線カバーの開閉が必要です。X線発生時の防X線カバー開閉に伴う注意事項を確認して下さい。

操作
  1. Heボンベ(図1.3.1)の一次側バルブを開ける。
    ⇒ボンベ残圧を一次側圧力ゲージで確認(測定時間にもよるが3.0MPa以上)。
  2. レギュレーターの圧力調整バルブで適切な二次側圧力(0.05〜0.06MPa程度)に調整。
    *二次側バルブは全開で良い。
  3. 操作パネル“Door”を押した後、装置側面(向って左)の防X線カバーを開ける (参照「X線発生時の防X線カバーの開閉」)。
  4. 流量コントローラ(図1.3.2)の切り替えバルブ“Mirror”をゆっくりと“Direct”にする。
    ⇒ 多層膜ミラーへHeがパージされる。
  5. 数秒後、切り替えバルブを“Flow”に戻し、流量計“Mirror”の値(ボールの中心)が40〜50ml/minになるように流量を調整。
    *基本的にはレギュレーターの圧力調整バルブで二次側圧力を増減し、適切な流量にする。
     必要に応じて流量計コントローラのつまみで調整。
    ⇒ 回折実験中は、このままスローパージを続ける。

(図1.3.1) Heボンベ・レギュレータ
@ 一次側バルブ、A 一次側圧力ゲージ
B 圧力調整バルブ、C 二次側圧力ゲージ
D 二次側バルブ

(図1.3.2) 流量コントローラ

参考:Heパージについて

 多層膜ミラーへのHeパージは、X線の減衰を防ぐのはもちろん、X線によるミラーの損傷を防ぐ上で重要(ミラーはかなり高価)。
 実験中にHeがなくならない様、十分に残圧があることを確認すること(16時間の測定で3.0MPa程度の残圧が必要)。
 また、測定中も流量をチェックし、必要に応じて二次側圧力の調整を行うなどの注意も必要。

 Heパージは結晶をマウントする前に実施する。
 マウント後に実施すると、結晶への霜付き、また結晶を壊すこともある。

 なお、現在(2008年4月)、Heパスは取り外しているが、念のためHeパスへのパージ手順も記述しておく。
 上述のミラーへのパージを行った後、以下の操作を行う。

  1. 流量コントローラの切り替えバルブ“He-Path”をゆっくりと “Direct“ にする。
     (注) 急激に“Direct“ に切り替えるとX線露光面の破損の原因になる。
  2. 数秒後、バルブを“Flow”に戻し、ミラー同様に、“He-Path”流量を40〜50ml/minに設定。
    ⇒ 回折実験中は、このままスローパージを続ける。

Heパージ終了

 回折実験終了後、ボンベ一次側バルブ(図1.3.1@)を閉め、圧力調整バルブ(図1.3.1B)を“減”。

 なお、Heボンベの予備については、装置管理者(あるいは施設スタッフ)に確認し、必要に応じて注文する。



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